大阪市の実家を相続して売ったら、税金はかかるのか。売る前に探す紙、売った後に残す紙
書いた人:川原貴諒(宅地建物取引士・大阪市西成区)相続した実家を売って税金がかかるのは、売って利益(譲渡所得)が出たときで、かかるかどうか、いくらかを決めるのは税理士と税務署です。大阪市西成区の不動産会社TKグランクスが、相続した実家を売る方向けに、売る前に探す紙と、売った後に残す紙を時間の順に説明します。親が買った値段と日付はそのまま引き継ぐので(所得税法60条1項)、親が買ったときの契約書を、片付けの前に探してください。
かかるかどうか、いくらかかるかを決めるのは、税理士と税務署です。不動産屋の私には決められません。
ただ、その計算に使う紙は、売る前から探せます。
紙が無いと、引けるはずのものが引けなくなる可能性があります。
私どもがやるのは、売る前に揃える紙の確認と、売るまでの段取りです。税理士に聞く前に、紙を揃えるところをお手伝いします。
この記事では、売る前に探す紙と、売った後に残す紙を、時間の順に並べます。
税金がかかるのは、売って出た「利益」
家を売って利益が出ると、その利益に税金がかかります。この利益を「譲渡所得」と呼びます。売って出た利益のことです。
利益は、売った値段から次の2つを引いて考えます。
取得費:親が買ったときの値段と、そのときにかかった費用
譲渡費用:売るためにかかった費用
引けるものが多いほど、利益は小さくなります。
引けるかどうかを決めるのは、紙です。
売って利益が出なければ、この税金はかかりません。
ただし、3,000万円の特例などを使って利益をゼロにする場合は、確定申告が必要です。
親が昔安く買った家は、利益が大きく出やすいです。
売る前に探す紙:親が買ったときの契約書
相続した家の「買ったときの値段」は、相続した日の値段ではありません。
親が買った値段を、そのまま引き継ぎます。親が買った日も引き継ぎます(所得税法60条1項)。
建物は、親が買った(建てた)ときから売るときまでの年数分、価値が減った分を差し引きます。計算は税理士か税務署に確かめてください。
引き継ぐ日付も大事です。売った年の1月1日で、持っていた期間が5年を超えるか。ここで税金の区分(長期・短期)が分かれます。
相続した家は、親が買った日から数えます。
実際の取得費が分からない、または5%より少ない場合は、売った金額の5%を取得費にできます。
どちらが得かは、税理士に相談してください。
実際の値段で計算するには、その値段を示す紙が要ります。探すのは次の4つです。
土地・建物の売買契約書(親が買ったとき)
建築の請負契約書(親が建てたとき)
ローンの契約書、返済の明細
仲介手数料・登記費用の領収書
仏壇の引き出しに、通帳や権利書が残っていることがあります。
片付けや処分の前に、引き出しの奥まで見てください。
もう一つ。業務に使っていない家なら、相続のときの登記費用や不動産取得税も、取得費に含められます。
ただし、5%を使うときは含められません。
使えるかもしれない特例は3つ
先に全体を書きます。
相続した空き家の3,000万円特例
相続税を払った人の取得費加算
小さな土地・空き家の100万円控除
どれも使えるわけではありません。どれが使えるかは、条件しだいです。
同じ家と土地では、空き家の3,000万円特例と取得費加算は、どちらか一つです。
1つ目 相続した空き家の3,000万円特例
亡くなった親が、亡くなる直前まで(老人ホームなどに入っていた場合は、一定の条件のもとで入る前まで)一人で住んでいた家が対象です。条件は後ろにまとめました。
2つ目 相続税を払った人の取得費加算
払った相続税のうち、その家にかかる分を、取得費に足せる特例です(租税特別措置法39条)。
相続税がかかっていない人には、関係ありません。かかったかどうかは、相続税の申告書を見れば分かります。
3つ目 小さな土地・空き家の100万円控除
売った値段が800万円以下(区域によって500万円以下)の空き地・空き家では、100万円を差し引ける特例があります。
売った年の1月1日で所有5年超、都市計画区域内の土地などの要件があります(売却額の上限や、市区町村の確認も必要です)。
条件のまとめ
空き家の3,000万円特例
昭和56年5月31日以前に建てられた家
マンション(区分所有の建物)は対象外
相続してから売るまで、事業・貸付け・居住に使っていない
売る前に耐震基準に合うよう改修するか、取り壊して更地で売る。2024年以降の売却なら、買った人が翌年2月15日までに改修・取壊しをした場合も対象
売った値段が1億円以下
相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る
令和9年12月31日までに売ったものが対象
相続人が3人以上なら、1人あたり2,000万円
取得費加算
相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売る
申告期限は、相続を知った日の翌日から10か月。相続から、およそ3年10か月が線です
100万円控除
令和2年7月1日から令和10年12月31日までに売ったものが対象
施設に入っていた親の家の話は、「父が施設にいる実家は誰が売るのか」の記事に書きました。
契約のときに貼る紙:印紙
売買契約書には、収入印紙を貼ります。金額は契約の値段で決まります。
令和9年3月31日までに作る契約書は、軽くなっています。
500万円を超え1,000万円以下:5千円
1,000万円を超え5,000万円以下:1万円
売主が負担した印紙代は、譲渡費用に入ります(国税庁)。
売った後に残す紙
譲渡費用として国税庁が挙げているのは、たとえば次のものです。
仲介手数料
売買契約書の印紙代(売主が負担した分)
売るために建物を壊した費用
借家人に払った立退料
入らないのは、固定資産税や修繕費など、持っている間の維持費です。
売ったら、翌年の申告まで次の紙を取っておきます。
売買契約書(売ったとき)
仲介手数料の領収書
印紙の領収書か、印紙を貼った契約書の写し
解体費の領収書(売るために壊した分)
親が買ったときの契約書・領収書
空き家の3,000万円特例を使うなら、「被相続人居住用家屋等確認書」
被相続人は、亡くなった親のことです。この確認書は、区役所が出す「空き家だった」証明です。
出すのは税務署ではなく、家のある市区町村。大阪市なら、家のある区の区役所に申請します。要る書類は、大阪市の手引きで確かめてください。
西成区では、申請から交付まで7〜10日程度かかる場合があると案内されています。
申告の直前に慌てないよう、契約が済んだら動いてください。
翌年の確定申告
税金がかかるときと、特例を使うときは、売った翌年の2月16日から3月15日(原則)に確定申告をします。
誰に何を聞くか
聞く先は、ここにまとめます。
税額、どの特例を使うか、5%と実際の値段のどちらが得か:税理士
確認書を出してもらえるか:家のある区の区役所(出すかどうかは市区町村長の判断です)
申告が要るか、申告のしかた:税務署
私どもは、その前の紙を揃えるところまでです。
今日できること、3つ
親が買ったときの契約書を探す。売買契約書、請負契約書、ローンの書類、領収書。仏壇の引き出しも見ます
日付を3つ書き出す。親がその家を買った日(建てた日)、親が亡くなった日、建物が建った年
相続税を払ったかを確かめる。相続税の申告書があれば、そこで分かります
費用のこと
相談と、現地への同行に費用はかかりません
仲介手数料は、売買が成立したときにだけいただきます
税理士に相談・申告を頼む場合の費用は、税理士に直接お支払いいただきます(当社の費用には含みません)
よくある質問
Q. 親の契約書が、どうしても見つかりません
A. 売った金額の5%を取得費にする方法があります。ほかに値段を示す紙が無いかも探してください。どちらが得かは、税理士に相談してください。
Q. 3,000万円の特例は、うちでも使えますか
A. 条件しだいです。建物が建った年と、親が亡くなった日を書き出して、税理士に持って行ってください。
税金の前に、親の契約書。
まだ売ると決めていなくて構いません。「相続した家の税金が分からない」とだけ送ってもらえれば大丈夫です。LINEでご相談ください。相談に費用はかかりません。返事をするのは、宅地建物取引士の川原本人です。相続以外のご事情(住み替え、転勤、離婚)でも、同じ窓口で構いません。
友だち追加のあと、「実家、売る前に自分で見る4か所」の1枚(A4)をお送りします。
売ると決まったら、売却専用ページに進み方をまとめてあります。
https://tk-granks.co.jp/sell
大阪市西成区の不動産屋 TKグランクス株式会社 川原貴諒(宅地建物取引士)
LINE:https://lin.ee/8wVUuCW / お問い合わせ:https://tk-granks.co.jp/contact
特例を使えるかは、税務署か税理士に確認を。
根拠:所得税法60条1項・120条、租税特別措置法31条・35条3項・4項・39条、相続税法27条、国税庁タックスアンサーNo.3208・3226・3252・3255・3258・3267・3270・3306・7108、大阪市「被相続人居住用家屋等確認書の交付について」、大阪市西成区の同ページ(2026年6月1日更新)。
LINEは、この記事の題と「売るか迷っている」の一言で大丈夫です。
chatLINEで相談する(無料)
コラム一覧へ戻る