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西成区の長屋(連棟)の実家を相続した。売れるのか、何を確認す...

    西成区の長屋(連棟)の実家を相続した。売れるのか、何を確認するか

    書いた人:川原貴諒(宅地建物取引士・大阪市西成区)

      西成区の長屋(連棟)の実家は、隣とくっついていても、売れないとは限りません。大阪市西成区の不動産会社TKグランクスが、長屋の実家を相続した方向けに、値段と売り方が変わる4つの確認を説明します。端の家か真ん中の家か、登記が自分の家だけか列でまとめた形か、切り離しができるか、隣との覚書があるかです。

      「実家が長屋なんです。隣とくっついているので、値段は付かないですよね」

      大阪市西成区で不動産屋をしていて、相続の相談でよく聞く言葉です。西成区には、戦後から昭和40年代に建った長屋が、まだたくさん残っています。

      先に結論を書きます。「長屋だから売れない」とは限りません。長屋は「ひとくくり」で値段が付く家ではなく、4つの確認で、値段も売り方も変わる家です。どれくらい変わるかは家ごとに違うので、この記事では幅を書きません。確認しないまま「長屋だから」と諦めるのが、いちばんもったいない。

      この記事は、その4つと、出口の並べ方を書きます。

      ■ 先に、長屋とは何か

      長屋は、壁を隣とつなげて横に並んだ家で、それぞれの家が自分の玄関から直接外に出られるもの。マンションのように共用の廊下や階段がありません。ここが「共同住宅」との違いで、法律上の扱い(建てられる条件)が変わります。どちらに当たるかは、最終的に役所(大阪市なら計画調整局の建築指導部)の判断です。

      大阪市内の古い市街地には、この形の家が多い。西成区もそうです。

      ■ 確認1 端の家か、真ん中の家か

      業界では、列の端にある家を「端家(はしや)」、真ん中を「中家(なかや)」と呼びます(法律の言葉ではありません)。

      - 端家:片側だけが隣とつながっている。将来、切り離して建て替える道が残っていることがある

      - 中家:両側が隣とつながっている。切り離しは両隣の話になり、現実には建て替えが難しいことが多い

      同じ列の同じ間取りでも、端か中かで買い手の種類が変わります。端家は「建て替えを考える人」も買い手に入る。中家は「今のまま住む人」「直して貸す人」が中心になる。値段が違う理由は、ここから始まります。

      ■ 確認2 登記の形 「自分の家だけの登記か、列でまとめた登記か」

      長屋は、見た目は一戸建てでも、登記(法務局の記録)の形が家ごとに違います。ざっくり言うと、列全体をまとめて登記して持分で分けている形と、自分の家だけを独立して登記している形があります(実務上の分け方で、法律の分類ではありません。マンションと同じ「区分」の形もあります)。

      これで、売るときに誰の判子が要るか、壁を触る工事のときに誰の同意が要るかが変わります。まとめて登記している形なら、他の所有者が関わる。自分の家だけの登記なら動かしやすい。ただし、どの形でも壁は隣とつながっているので、工事は隣抜きには進みません。

      あなたが見分ける必要はありません。登記事項証明書(法務局で誰でも取れる、その家の記録)を1通取って、見せてください。どの形か、私たちが読みます。古い記録と現地が食い違っていることもあるので、現地と照らすところまでやります。

      ■ 確認3 切り離しは、できるか

      「切り離して建て替えれば高く売れる」と考える方が多い。ただ、切り離しには3つの壁があります。

      - 残る側の家:壁を切ると、隣の家の壁が外壁になる。補修が要る。その費用と責任をどうするかを、先に決める

      - 残る側が、今の法律に合わなくなることがある:長屋として建っていたものが、切り離すと今の基準に合わない建物になることがある(既存不適格といいます。住めなくなるわけではなく、建て替えや大きな工事のときに今の基準が効く、という意味)。判断は役所

      - 切り離した側の土地に、家が建つか:建物を建てる土地は、幅4m以上の道路に2m以上接していなければならないのが原則(建築基準法43条)。4mは、車が2台ぎりぎりすれ違える幅。前の道をメジャーで測れば目安は分かりますが、結論は役所(大阪市なら建築指導部の建築企画課)の判断です。西成区の長屋は路地の奥にあることが多く、ここで止まることがある

      つまり切り離しは、隣の同意・費用・役所の判断の3つが揃わないと進まない。揃っても最終的に決めるのは役所です。揃わないなら、切り離さない前提で出口を考えるほうが早い。

      ■ 確認4 覚書があるか

      隣とつながった家には、隣との約束事が付いて回ります。切り離すときの協力、越境(隣の柱や庇がこちらに入っている、またはその逆)、通路の使い方。

      これを覚書(隣と交わす、判子を押した約束の書面。メモではありません)にしておくと、次の買主がローンを組むときに効きます。金融機関が「覚書がないと融資できません」と言うことが、実際にあります(法律で決まっているのではなく、金融機関の審査の実務です)。

      覚書に入れるのは4つ。何がどこに越境しているか(図と写真)/切り離しのときの協力/費用の負担/「次の所有者にも及ぶ」の一文。今の隣同士のための紙ではなく、次の人のための紙だからです。書面は司法書士、境界は土地家屋調査士の領域で、私たちは事実を揃えてつなぎます。

      ■ 出口は、4つ並べる

      4つの確認が終わって、初めて出口が並びます。

      1. 今のまま売る(現況渡し=今の状態のまま、古い家が付いたまま売る):中家や、切り離しが難しい家に向く。買い手は「住む人」「直して貸す人」。現金の人が中心になることがある

      2. 切り離して建て替え前提で売る:端家で、接道と隣の同意が揃う家。費用と期間が乗る。揃うかどうかは役所と隣次第

      3. 直して貸す:売却が難しいが、賃貸の需要が見込める場所。場所と家賃次第。修繕費と家賃を並べる

      4. 隣に売る:隣が建て替えや拡張を考えているとき。隣にとっては「自分の家の一部」。一番高く買うことがある

      どれが合うかは、家と事情で変わります。金額だけで決めない。手残り・期間・手間を並べて決める。この並べ方は「順番と費用」の記事に書きました。査定書には「誰が買う前提の数字か」を必ず書いてお渡しします。

      ■ 売主が今日できること、3つ

      1. 登記事項証明書を取る。法務局で誰でも取れます(1通600円)。取るだけでいい。読むのは私たちがやります

      2. 隣に一言。急がなくていい。次に実家へ行ったとき、顔を合わせたら「相続で実家を整理することになりました。ご迷惑をおかけするかもしれません」。売る話はしなくていい。言いにくければ、私たちが挨拶に行くこともできます

      3. 実家の外周と、隣との境目の写真。柱・庇・雨樋・塀がどちら側にあるか。越境の手がかりになります

      ■ 費用のこと

      - 相談と、現地への同行に費用はかかりません

      - 仲介手数料をいただくのは、売買契約が成立したときだけです。上限は法律で決まっています。800万円以下の家は特例で上限33万円+税。売却を頼む契約(媒介契約)を結ぶときに書面で確認します

      - 覚書の作成(司法書士)、境界の確認(土地家屋調査士)が要る場合は、別にかかります。要るかどうかは家ごとに違うので、面談で「この家に要るもの」だけを一覧にします

      ■ よくある質問

      Q. 隣の人が売ることに反対しています

      A. 売ること自体に隣の同意は要りません(登記が共有の場合を除く)。同意が要るのは、壁を切るなど隣の家に手を付ける工事のときです。反対されているなら、切り離さない前提の出口を先に並べます。

      Q. 長屋でも住宅ローンは組めますか

      A. 金融機関の判断です。覚書や境界の資料が揃っているほど、審査は通りやすい傾向があります。通るかどうかを保証はできません。

      Q. 西成区以外の長屋でも相談できますか

      A. 大阪市内と、その周辺で動いています。長屋は大阪市内に広くあるので、区は問いません。

      まだ売ると決めていなくて構いません。「長屋だから無理だと思っている」の段階で、LINEでご相談ください。相談に費用はかかりません。返事をするのは、宅地建物取引士の川原本人です。相続以外のご事情(住み替え、転勤、離婚)でも、同じ窓口で構いません。

      売ると決まったら、売却専用ページに進み方をまとめてあります。
      https://tk-granks.co.jp/sell

      西成区の家なら、西成区専用のページもあります。

      https://tk-granks.co.jp/nishinari

      友だち追加のあと、「実家、売る前に自分で見る4か所」の1枚(A4)をお送りします。

      大阪市西成区の不動産屋 TKグランクス株式会社 川原貴諒(宅地建物取引士)

      LINE:https://lin.ee/8wVUuCW / お問い合わせ:https://tk-granks.co.jp/contact

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