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きょうだいで実家の売値が割れたら。金額より先に確かめる3つ

    きょうだいで実家の売値が割れたら。金額より先に確かめる3つ

    書いた人:川原貴諒(宅地建物取引士・大阪市西成区)

      きょうだいで実家の売値が割れたときは、金額を比べる前に、その数字に何が入っているかを確かめます。大阪市西成区の不動産会社TKグランクスが、相続した実家の売値をきょうだいで別々の不動産屋に聞いた方向けに、先に確かめる3つを説明します。擁壁に確認と検査の記録があるか、崖や高低差で建て方に決まりがあるか、解体にいくらかかるかが分かるまで、数字は一つに決めません。

      たとえば、兄は不動産屋で高い数字を聞いてきた。妹は、別の会社で、それよりずっと低い数字を聞いてきた。

      実家を相続したきょうだいで、こういうことが起きます。どちらの数字が正しいのか。どちらの会社に頼めばいいのか。

      先に書きます。その時点では、どちらの数字も「まだ決まっていない」ことがあります。

      数字が割れる理由は、会社の腕より先に、数字に何が入っていて、何が入っていないかにあることが多いからです。

      この記事では、金額を比べる前に確かめたい3つと、それが分かるまで一つの金額にしない理由を書きます。

      数字が割れるのは、入っている中身が違うから

      不動産屋が最初に出す数字は、近所で売りに出ている土地や、売れた土地の「1坪あたりの値段」から計算することが多いです。現地を見なくても出せる数字です。

      この計算には、その土地だけの事情が入っていません。

      • 裏が崖になっている

      • 道路と敷地に高低差があって、擁壁(土を留めるコンクリートの壁)で支えている

      • 古い家を壊す費用が、いくらかかるか

      近所の平均には、こういう事情はほとんど入りません。でも、買う人はここを見ます。

      建て替える人も、そのまま住む人も、どちらも見ます。

      兄が聞いた数字は、これを入れる前の数字かもしれない。妹が聞いた数字は、一部だけ入れた数字かもしれない。中身が違う数字は、並べても比べられません。

      先に確かめる1つ目:擁壁に、確認と検査の記録があるか

      高さが2メートルを超える擁壁は、建築基準法で、建物と同じように確認と検査を受けるものになっています。宅地造成や開発の許可を受けて造った擁壁は、そちらの許可と検査になります。

      確かめるのは、その擁壁に確認・検査、または造成の許可・検査を受けた記録が残っているかです。

      古い擁壁は、記録自体が無いことも多いです。その場合は、建築士に状態を見てもらう話になります。

      記録が見つからない擁壁は、将来の建て替えのときに、作り直しや補強を求められる可能性があります。

      求められるかどうか、いくらかかるかは、役所と建築士が判断することです。私には言い切れません。

      ただ、ここが分からないまま出した数字は、あとで大きく動くことがあります。

      2つ目:崖や高低差で、建て方に決まりがあるか

      建物が崖崩れなどの被害を受けるおそれがある場合は、擁壁を設けるなど、安全のための措置が要ります。

      崖の近くに建てるときの条件を条例で決めている自治体もあります。大阪府のように条例が無いところでも、土砂災害特別警戒区域などに指定されていれば、別の決まりがかかります。

      崖の上か下か、崖からどれくらい離れているかで、建てられる場所や方法が変わる可能性があります。

      これも、決めるのは役所です。確かめる先は、建築確認を担当している役所(市、または府)の窓口です。

      聞いた答えは、書面で出してもらえるものは書面で受け取ります。出ないものは、日時、担当の方の部署と名前、聞いた内容、答え、根拠になった法令や図面の名前を書き残します。

      3つ目:解体の見積

      古い家を壊して土地で売るか、買う人が壊すか。どちらでも、解体費は値段に響きます。

      解体費は、家の大きさ、構造、前の道路の幅、重機が入るかで変わります。平均では出せません。見積を取ってはじめて分かります。

      もう一つ。今は解体の前に、石綿(アスベスト)が使われていないかの事前調査が、法律で求められています。

      調査の費用は、工事を頼む側が適正に負担することになっています。見積を取るときは、この調査の費用が入っているかも聞いてください。

      分かるまで、一つの金額にしない理由

      この3つが分からないうちは、一つの金額にはしません。

      出すときは「擁壁・崖・解体費が入っていない数字です」と書き添えます。

      きょうだいの意見が割れているとき、出した数字は、どちらかの武器になるからです。

      「不動産屋がこのくらいと言った」。その一言が、話し合いの中で一人歩きします。

      あとで擁壁や解体費が分かって数字が動けば、今度は「言っていたことと違う」になります。

      数字と一緒にお伝えするのは、次の2つです。

      • まだ入っていないもの:何がまだ分かっていないか

      • 何が揃えば一つの金額にできるか:役所への確認と、解体の見積

      揃ったら、近くで実際に売れた値段と合わせて、ひとつの数字にします。

      媒介契約を結ぶときは、根拠を添えて価格をお示しします。

      今日できること、3つ

      1. 聞いた数字に、何が入っているかを聞く。「現地は見ましたか」「擁壁と高低差は入っていますか」「解体費はいくらで見ていますか」。答えが返ってこないなら、その事情はまだ入っていない数字です

      2. 売却を相談する不動産会社に、擁壁の記録を役所で調べてもらえるか聞く。固定資産税の課税明細書を手元に置いておくと、話が早いです。役所で使う土地の番号(地番。住所とは別の番号です)が載っています

      3. 解体の見積を1社取る。石綿の事前調査の費用が入っているかも確かめます

      数字が揃ったら、きょうだい全員に同じ紙を見せてください。意見が割れたときの進め方は「きょうだい共有の実家」の記事に書きました。

      費用のこと

      • 相談と、現地への同行に費用はかかりません

      • 仲介手数料は、売買が成立したときにだけいただきます

      • 解体工事と石綿の事前調査の費用は、工事を頼む側の負担です

      よくある質問

      Q. 高い数字を出した会社に頼めばいいですか

      A. 数字の高さだけでは決められません。その数字に擁壁・崖・解体費が入っているかを、まず聞いてください。どこに頼むかを決めるのは、売るご本人です。

      Q. 家は、解体してから売るべきですか

      A. 物件によって変わるので、ここでは言えません。壊してから売るか、そのまま売るかで、かかる費用も買う人の層も変わる可能性があります。解体の見積を取ってから並べて考えます。

      Q. 崖も擁壁もない、平らな土地ならどうですか

      A. 擁壁と崖の確認は、軽く済む可能性があります。それでも解体費と、前の道路にどう接しているかなどは、平らな土地でも確かめます。

      金額より先に、順番。

      まだ決めていなくて構いません。「きょうだいで数字が割れている」の段階で、ご相談ください。

      ごきょうだいそろってでも構いません。高い数字を聞いてきた方も、一緒に話を聞いていただけます。

      売ると決まったら、売却専用ページに進み方をまとめてあります。

      https://tk-granks.co.jp/sell

      TKグランクス株式会社 代表取締役 川原貴諒

      宅地建物取引業 大阪府知事(01)第067136号

      根拠:建築基準法19条4項・88条1項・88条4項、建築基準法施行令138条1項5号、大気汚染防止法18条の15第1項・第2項、石綿障害予防規則3条、宅地建物取引業法34条の2第1項2号・第2項(e-Gov法令検索で原文を確認、2026年10月6日)。擁壁の作り直し・補強の要否と費用は役所と建築士、建て方の条件は役所の判断です。

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