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工事でもめたら、裁判の前に。建設工事紛争審査会の使い方と、売...

    工事でもめたら、裁判の前に。建設工事紛争審査会の使い方と、売買との違い

    書いた人:川原貴諒(宅地建物取引士・大阪市西成区)

      工事でもめたとき、裁判の前に使える場があります。

      注文住宅やリフォームの工事でもめたら、建設工事紛争審査会に申請できます。
      国と都道府県が置く機関で、工事を頼む契約(請負契約)のもめごとを、あっせん・調停・仲裁の3つの手続きで扱います(建設業法25条)。
      家を買ったときのもめごと(不動産の売買)は、扱いません。

      大阪市西成区の不動産会社TKグランクスが、これから家を建てる人・リフォームする人・家を買う人に向けて、仕組みと使い分けをまとめます。

      1. 国土交通省の発表で分かったこと

      国土交通省は2026年10月15日、中央建設工事紛争審査会の処理状況(令和8年度第2四半期)を発表しました。

      新しい申請は11件。前の年の同じ時期より4件増えました。

      いちばん多いのは、個人の発注者が請負人を相手にした6件。
      残りの5件は、法人の発注者、請負人、下請からの申請です。

      中身は、工事の不具合(工事瑕疵)が5件で最多。工事代金3件、下請代金1件、その他2件です。
      手続きは、あっせん2件、調停8件、仲裁1件。
      個人が業者を相手に申し立てた6件のうち、5件は建築の工事でした。

      前の期からの35件に新しい11件が加わり、6件が終わって、40件が次の期に持ち越されました。

      この数字は、国の中央審査会だけのものです。
      都道府県の審査会の件数は入っていません。全国の件数ではありません。

      地元の工務店など、知事許可の業者が相手なら、その都道府県の審査会になります。

      2. 建設工事紛争審査会とは

      審査会は、もめている双方の話し合いの間に入るか、仲裁で判断を出す所です。

      国土交通省に中央建設工事紛争審査会が、各都道府県に都道府県の審査会があります(建設業法25条3項)。

      法律や建築などの専門家が、委員として間に入ります(国土交通省の案内)。

      審査会は、業者を指導したり処分したりする所ではありません。
      欠陥かどうかの鑑定だけを頼む所でもありません。

      欠陥にあたるか、いくら払うかを決めるのは、あっせん・調停なら双方の合意、仲裁なら仲裁委員の判断です。
      申請すれば直してもらえる、お金が戻る、という所ではありません。

      3. 扱わないもの。家を買ったもめごとは対象外

      国土交通省の案内には、こう書かれています。

      「不動産の売買契約に関する紛争、専ら建物の設計監理契約に関する紛争、雇用契約に関する紛争などは、建設工事紛争審査会では取り扱えません。」

      大阪府の案内も、建売住宅や分譲マンションの購入など売買のもめごとのほか、近隣の騒音、元請と孫請のもめごと、鑑定だけを求めるもの、設計の委託を扱わないとしています。

      建売住宅は、売買にあたるのが通常です。
      契約が売買か請負かで、窓口が分かれます。どちらにあたるかは、審査会の事務局が判断します。
      迷ったら、住まいるダイヤルに聞いてください。

      4. 頼んだのか、買ったのか。窓口の使い分け

      ・工事を頼んだ(注文住宅を建てた、リフォームを頼んだ)
       → 建設工事紛争審査会

      ・家を買った(建売住宅、中古住宅、分譲マンション)
       → 建設工事紛争審査会は対象外
       → 住宅性能評価を受けた家(評価住宅)や、法律に基づく保険が付いた家なら、弁護士会の住宅紛争審査会を使える可能性があります(住宅品質確保促進法67条1項、住宅瑕疵担保履行法33条)

      ・どちらか分からない
       → 住まいるダイヤル

      住宅紛争審査会は、使えない家もあります。
      建売住宅でも、保険が付いているとは限らないからです。当てはまるかは住まいるダイヤルで確かめてください。

      住まいるダイヤルは、国土交通大臣が指定した公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談です。建築士が相談を受けます。
      電話 03-3556-5147、10時〜17時(土日祝・年末年始は休み)。

      5. どこの審査会に申し立てるか

      相手の業者が持っている建設業の許可で決まります(建設業法25条の9)。

      ・業者が国土交通大臣の許可 → 中央審査会(国)
      ・業者が都道府県知事の許可 → その都道府県の審査会
      ・双方が業者で、許可を出した役所が違う → 中央審査会
      ・業者が建設業の許可を持っていない → 工事現場のある都道府県の審査会

      双方が合意すれば、申し立てる審査会を選ぶこともできます(同条3項)。
      相手の許可がどちらか分からないときは、審査会の事務局に聞いてください。

      6. 大阪府の窓口

      大阪府建設工事紛争審査会の事務は、次の課が受け持っています。

      大阪府 都市整備部 住宅建築局 建築指導室 建築振興課(建設指導グループ)
      大阪市住之江区南港北1-14-16 咲洲庁舎1階
      電話 06-6210-9736

      府のページは2008年の更新で、古いままです。行く前に、電話で今の受け付け方を確かめてください。

      7. あっせん・調停・仲裁の違い

      申請は書面でします(建設業法25条の10)。

      あっせん

      委員1人(大阪府の案内)が、話し合いの間に入ります。

      調停

      委員3人(同)が間に入ります。調停案を示して、受け入れるよう勧めることがあります(25条の13第4項)。

      あっせんと調停は、片方からでも申請できます(25条の11)。
      話し合いなので、相手が応じなければ、打ち切りになることがあります。
      まとまった場合は、民法上の和解になります(大阪府の案内)。

      仲裁

      委員3人が判断を出します。うち1人以上は弁護士の資格を持つ人です(25条の19)。
      申請は双方からするか、仲裁にすると合意したうえで片方からします(25条の18)。

      仲裁の判断は、確定した判決と同じ効力を持ちます(仲裁法45条1項)。
      仲裁にすると合意したもめごとは、原則として裁判に持ち込めません(仲裁法14条1項)。

      あとから裁判で争う道が、原則として閉じる。
      仲裁を選ぶ前に、弁護士に相談してください。

      迷ったら、まず住まいるダイヤル(03-3556-5147)へ。

      8. 今日やっておく3つ

      申請は書面です。何を頼み、何が起きたかを、紙で示すことになります。

      1. 契約書・見積書・図面を、1か所にまとめる

      何を、いくらで頼んだかの元になる紙です。追加や変更の見積もりも一緒にします。

      2. 不具合は、日付の分かる写真で残す

      雨漏りなど急ぐものは、応急の処置をする前に撮ります。処置のあとでは、元の姿は撮れません。

      3. 業者とのやり取りを、文字で残す

      電話で話したら、要点をメッセージで送っておく。口だけの約束は、あとで確かめられません。

      もめたら、まず紙を揃える。

      工事のもめごとの個別のご相談は受けていません。窓口は上の4章と6章です。

      家を買う・売る・住まいのご相談はLINEで。返事をするのは宅地建物取引士の川原本人です。https://lin.ee/8wVUuCW

      大阪市西成区の不動産屋 TKグランクス株式会社 川原貴諒(宅地建物取引士)
      宅地建物取引業 大阪府知事(01)第067136号

      出典:国土交通省 報道発表(2026年10月15日)https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00363.html

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