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私道負担とセットバックは別物です|大阪市西成区の不動産会社が解説
土地を探していると、販売図面に面積が書かれています。
100㎡と書いてあれば、100㎡の土地だと考えるのが自然です。
ただ、その100㎡すべてに家を建てられるとは限りません。私道負担やセットバックがある土地では、実際に建物を建てられる面積はもっと小さくなります。
そしてこの2つは、まったく別のものです。両方がかかっている土地もあります。
大阪市西成区のような古くからの住宅地では、珍しいことではありません。今回は、この2つの違いと、使える面積の考え方をご説明します。
1. 私道負担とは
私道負担とは、購入する土地の一部が、すでに道路として提供されている状態のことです。
前の道が私道である場合、その道は誰かの所有地です。そして多くの場合、その道に面する各戸が、自分の敷地の一部を道路として出し合っています。
このとき、道路として提供している部分が私道負担にあたります。
私道負担部分でできないこと
私道負担部分は、自分の所有地です。登記簿にも自分の名前が載ります。固定資産税の課税明細にも出てきます。
それでも、次のことはできません。
建物を建てる
門や塀を設ける
駐車場として使う
単独で廃止したり、閉鎖したりする
最後の点には根拠があります。建築基準法第45条により、私道の変更または廃止によってその道に接する敷地が接道義務を満たさなくなる場合、特定行政庁はその行為を禁止または制限することができるとされています。
つまり、その道を頼りに建っている家が一軒でもあれば、勝手に閉じることはできません。
建ぺい率・容積率の計算から外れる
もう一つ重要なのは、私道負担部分は建ぺい率・容積率を計算するときの敷地面積に算入されないという点です。
100㎡の土地のうち10㎡が私道負担なら、建物の規模を決める計算に使えるのは90㎡です。
2. セットバックとは
セットバックは、これから後退させる必要がある部分のことです。
建築基準法では、道路は原則として幅員4m以上とされています。ただし、法が適用された時点ですでに建物が立ち並んでいた4m未満の道については、道路とみなす扱いがあります。これが建築基準法第42条第2項道路、いわゆる2項道路です。
中心線から2m後退する
2項道路に接する土地では、建築または再建築の際に、道路の中心線から水平距離2mの線まで敷地を後退させる必要があります。
道の幅が3mなら、中心から2mの線は、現在の敷地境界より0.5m内側に入ることになります。この0.5m分が後退部分です。
後退した部分には、建築物・門・塀などを築造することができません。そして私道負担と同じく、建ぺい率・容積率の計算における敷地面積にも算入されません。
向かい側の状況で変わる
ここで注意が必要な点があります。
向かい側が水路や崖、線路などで後退できない場合、中心線からの後退ではなく、こちら側だけで4mを確保することがあります。この場合、後退する面積は大きくなります。
どちらになるかは、必ず役所の建築指導担当窓口でご確認ください。
3. この2つは別物です
ここまで読んでいただくと、私道負担とセットバックが似ていることにお気づきかと思います。
どちらも、自分の土地でありながら建物を建てられず、建ぺい率・容積率の計算から外れます。
ただし、この2つは別のものです。
私道負担は、すでに道路として提供されている部分。
セットバックは、これから後退させる部分。
そして重要なのは、両方がかかっている土地があるということです。
すでに一部を道路として出しており、それでもなお前の道が4mに満たない。この場合、建て替えの際にはさらに後退が必要になります。
引かれるのは、二重です。
4. 「使える広さ」の計算方法
実際に建物を建てられる面積を、有効宅地面積といいます。
計算はこうなります。
登記地積 100.00㎡
− 私道負担 10.00㎡
− セットバック 2.50㎡
─────────────────────
= 有効宅地面積 87.50㎡100㎡だと思っていた土地が、実際には87.5㎡になります。
坪単価の見え方が変わります
この差は、価格の見え方にも影響します。
仮に1,000万円の土地だとすると、
登記地積100㎡で割った場合 → 約33万円/坪
有効宅地面積87.5㎡で割った場合 → 約37.8万円/坪
同じ土地、同じ価格でも、どの面積で割るかで印象が変わります。
販売図面の数字を確認してください
販売図面に書かれている面積が、登記地積なのか、有効宅地面積なのかは、図面によって異なります。
「私道負担あり」と書かれていても、面積が引かれた後の数字なのかどうかは明記されていないことがあります。
気になったときは、遠慮なくご質問ください。
5. 買う前に確認すること
具体的に何を確認すればよいかをまとめます。
役所で道路の種別を調べる
前面道路が建築基準法上のどの道路にあたるかを確認します。42条1項1号なのか、2項道路なのか。市区町村の建築指導担当窓口や道路管理担当窓口で調べられます。
現地で道幅を測る
道路の幅は、場所によって違うことがあります。特に2項道路では、一定の幅で通っていないことも珍しくありません。
一番狭いところの幅が、判断の基準になります。
向かい側の状況を見る
向かい側が水路や崖であれば、後退の考え方が変わります。現地で確認し、役所で裏を取ります。
重要事項説明書を読む
契約前に交付される重要事項説明書には、私道に関する負担の項目と、敷地と道路との関係の項目があります。
負担面積、セットバック面積、私道の持分。ここに書かれている数字を、ご自身で足し引きしてみてください。
分からないところは、その場で聞いていただいて構いません。私たちはそのために説明しています。
6. 売るときにも影響します
これは買うときだけの話ではありません。
私道負担やセットバックがある土地は、建てられる建物の規模が小さくなります。ということは、その土地を検討できる方の数が減ります。
買える人の数は、そのまま値段に返ってきます。
売却をお考えの場合、これらの条件を先に整理しておくことをおすすめします。役所調査の結果、私道の登記簿、通行や掘削に関する承諾書の有無。
条件が分かっていれば、その条件で買いたい方に向けて売ることができます。
分からないまま売り出して、買主が現れてから発覚するのが、一番時間を失うパターンです。
まとめ
土地の広さと、使える広さは別物です。
私道負担は、すでに道路として提供されている部分
セットバックは、これから後退させる部分
両方かかっている土地もあり、その場合は二重に引かれる
建ぺい率・容積率の計算には、どちらも算入されない
登記簿に書かれた面積は、その土地の一つの数字にすぎません。実際に何が建てられるかは、そこから引き算をして初めて見えてきます。
私たちは、この引き算を先にお伝えすることを大切にしています。
悪い情報ほど先にお伝えし、判断していただくための材料をお渡しします。決めるのはお客様です。私たちから押すことはありません。
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