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不動産の集客がうまくいかない本当の理由|独立した業者が届いて...

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    不動産の集客がうまくいかない本当の理由|独立した業者が届いていない「空白の段階」

      はじめに|集客手段を増やしても、問い合わせは増えない

      独立して事務所を構えた。免許も取った。ポータルサイトにも登録した。

      それでも問い合わせが来ない。

      そういう相談をよく受けます。そして、たいていの方がこう考えています。

      「集客の手段が足りないのではないか」

      ポータルをもう一社増やそうか。チラシを撒こうか。SNSを始めようか。ホームページを作り直そうか。

      気持ちは分かります。ただ、手段を増やしても結果が変わらないことがあります。

      理由は単純です。増やした手段が、すでに使っている手段と同じ段階の人にしか届いていないからです。

      この記事では、不動産の集客手段を「お客様のどの段階に届いているか」で整理します。整理すると、業界全体がほとんど手をつけていない空白が見えてきます。

      1. お客様が決めるまでの7つの段階

      人が何かを買うまでには段階があります。不動産のような高額かつ低頻度の買い物では、その段階がとくにはっきりと分かれます。

      ここでは7つに分けて整理します。

      第1段階|注意

      その存在に気づく段階です。

      「そういえば家って買えるものなんだな」「うちの実家、どうなるんだろう」

      まだ何も始まっていません。本人にも自覚がありません。

      第2段階|興味

      少し気になり始めます。

      「うちの近くって、いくらくらいなんだろう」

      調べるところまではいきません。頭の片隅に置かれるだけです。

      第3段階|連想

      自分に置き換えて考え始める段階です。

      「今の家賃と同じくらいなら、買ったほうがいいのかもしれない」
      「親が元気なうちに、実家のことを話しておいたほうがいいのかもしれない」

      ここが分かれ目です。この記事で最も重要な段階なので、覚えておいてください。

      第4段階|欲望

      具体的に欲しくなります。

      「駅から10分以内、3LDK、予算はこのくらい」

      条件が言葉になります。ここで初めて検索が始まります。

      第5段階|比較

      複数を並べて見ます。

      物件を比較し、価格を比較し、そして会社を比較します。

      第6段階|信頼

      「この人に任せて大丈夫か」を判断します。

      物件が良くても、担当者が信用できなければ進みません。逆に、多少条件が落ちても信頼できる人から買いたいと考える方は多くいます。

      第7段階|決断

      契約します。

      1. 不動産業界の集客手段は、どの段階に届いているか

      ここからが本題です。

      業界で一般的に使われている集客手段が、それぞれどの段階に届いているのかを並べてみます。

      掘り起こしの電話|0段階

      一度も接点のない相手に電話をかける。

      これは第1段階の「注意」にすら達していません。0段階への接触です。

      まだ何も始まっていない人に、こちらから話しかけている状態です。

      成果が出ないわけではありません。数を打てば当たります。ただし、当たる確率は構造的に低くなります。相手が何の段階にもいないからです。

      そして、独立して一人で動いている業者にとって、この手法は最もコストが高い。時間しか資源がないからです。

      ポータルサイトの反響|第5段階

      ポータルサイトを見る人は、すでに条件が決まっています。

      エリアを絞り、価格帯を絞り、間取りを絞って検索している。つまり第5段階の「比較」に入っています。

      ここで戦うということは、他社の物件と横に並べられるということです。

      そして比較の基準は、多くの場合こうなります。

      価格。駅からの距離。築年数。写真の見栄え。

      会社の姿勢や、担当者の誠実さは、この段階ではほとんど評価されません。並んでいる情報の中に、その要素がないからです。

      大手と同じ土俵に立って、同じ条件で比較される。独立したばかりの業者が、ここだけで戦うのは分が悪い。

      SEO・ホームページ|第4段階から第5段階

      検索してくる人は、すでに言葉を持っています。

      「大阪市 中古マンション 3LDK」と検索する人は、第4段階の「欲望」を通過して、第5段階の「比較」に向かっています。

      ポータルより少し手前ですが、大きくは変わりません。

      そして検索結果の上位は、資本を投下している会社が押さえています。

      チラシ・折込|第1段階から第2段階、ただし届く人が限られる

      エリアを絞って撒けるという点で、上記とは性質が異なります。

      ただし、届くのはそのエリアに住んでいる人に限られます。そして紙は捨てられます。捨てられなかった一枚が効くこともありますが、確率の問題になります。

      1. 空白になっている段階がある

      並べてみると、あることに気づきます。

      掘り起こしは0段階。チラシは第1から2段階。SEOは第4から5段階。ポータルは第5段階。

      第3段階の「連想」に届く手段が、ほとんどありません。

      思い出してください。第3段階はこういう状態でした。

      「今の家賃と同じくらいなら、買ったほうがいいのかもしれない」
      「親が元気なうちに、実家のことを話しておいたほうがいいのかもしれない」

      まだ検索していません。まだポータルも見ていません。誰にも相談していません。

      この人たちは、今どこにもいません。

      だから誰も捕まえられない。ポータルにもいない、検索もしていない、電話をかけても「まだ何も考えていません」と言われる。

      魚はいるのに、船がいない海です。

      1. 連想の段階に届く手段は、今のところ一つしかない

      第3段階に届く手段があるとすれば、SNSです。

      理由は、SNSだけが探していない人の目に入るからです。

      ポータルは検索しなければ表示されません。ホームページも同じです。チラシは家に届きますが、興味のない人は見ません。

      SNSは違います。何気なく開いた画面に、たまたま流れてくる。

      「固定資産税が6倍になる話」
      「実家を相続したときに、最初にやるべきこと」
      「この一言を言われたら、その業者はやめたほうがいい」

      こういう投稿が、住宅のことなど何も考えていなかった人の目に入ります。

      そして、こう思う人が出てきます。

      「これ、うちのことかもしれない」

      これが連想の発火です。

      連想は待っていても起きない

      ここが重要な点です。

      第4段階以降の人は、自分から動いています。検索し、比較し、問い合わせてきます。こちらは待っていればいい。

      第3段階の人は、自分から動きません。動く理由がまだないからです。

      だから、こちらから発火させるしかない。

      連想は、待つものではなく、起こすものです。

      1. よくある反論と、その答え

      この話をすると、必ず二つの反論が返ってきます。

      「SNSをやっても、すぐには売上にならない」

      そのとおりです。

      第3段階の人が第7段階に至るまで、数か月から数年かかります。人によっては5年後です。

      だからほとんどの業者が続けられません。成果が出るまでの時間が長すぎて、途中でやめてしまう。

      そして、やめてしまう人が多いということは、続けた人の競合が少ないということでもあります。

      ここが空白になっている本当の理由です。難しいからではなく、時間がかかるから誰もやらない。

      「SNSから来た人も、結局は比較するのでは」

      します。必ずします。

      連想の段階で接点を持った人も、最終的には第5段階を通ります。他社と比較され、他の物件と並べられます。

      ただし、入り方が違います。

      ポータル経由の人は、物件を見つけてから会社を知ります。
      SNS経由の人は、会社を知ってから物件を探します。

      この順番の違いは大きい。後者は、比較の段階に入ったときにすでに信頼の基礎ができています。第6段階の「信頼」を、先に済ませている状態です。

      だから比較を恐れる必要はありません。

      選ばれる中身を、先に積んでおけばいいだけです。

      1. では、何を発信するのか

      ここで多くの人が止まります。「何を書けばいいか分からない」と。

      書くことは決まっています。

      普段お客様に説明していることを、そのまま書く。

      現地で聞かれたこと。契約前に説明したこと。売主に伝えて驚かれたこと。

      その内容は、業者にとっては当たり前でも、一般の方にとっては初めて聞く話です。

      境界標がないとどうなるか。
      私道に面した土地で、水道管を引き直すときに何が必要か。
      中古マンションを買うときに、管理費の滞納をどう確認するか。
      リフォーム費用は、売却価格にどれだけ反映されるか。

      こういう話は、検索しないと出てきません。そして、検索していない人には届きません。

      だから流す。

      発信で気をつけること

      一つだけあります。

      断定してはいけない領域には踏み込まない。

      再建築の可否、税額、融資の可否、法的な判断。これらは行政、税理士、金融機関、弁護士の領域です。

      発信で断定すると、それを読んだ方が自分の物件でも同じだと思い込みます。そして、違ったときに責任の問題になります。

      「こういう場合があります」「確認先はここです」

      この書き方を守るだけで、リスクはほぼ消えます。そして、この書き方をしている発信のほうが、実は信頼されます。

      1. 自社の集客導線を一枚に書き出す

      最後に、実際にやっていただきたいことがあります。

      紙を一枚用意して、次を書き出してください。

      今、自社が使っている集客手段をすべて書く。
      それぞれが、7段階のどこに届いているかを書く。
      空白になっている段階を丸で囲む。

      多くの場合、第1段階から第3段階が空白になります。

      そして、その空白がそのまま伸びしろです。

      おわりに|時間がかかることは、参入障壁でもある

      不動産業界には13万を超える業者があります。競争は激しい。

      ただ、その大半が同じ場所で戦っています。ポータルと、検索結果と、掘り起こしの電話。第4段階から第5段階の、狭い場所です。

      その手前は、ほとんど空いています。

      理由は難しさではありません。時間がかかるからです。今日始めて、来月成果が出るものではない。だからみんなやめる。

      逆に言えば、続けられる人にとっては、これほど競合の少ない場所はありません。

      魚はいます。船がいないだけです。

      業者数は国土交通省が公表している宅地建物取引業法の施行状況調査によります。最新の数値はそちらをご確認ください。

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      川原貴諒
      TKグランクス株式会社 代表取締役/宅地建物取引士
      大阪府知事(1)第67136号

      不動産歴20年。注文住宅、分譲、造成、賃貸、売買仲介のすべてを経験。
      独立した方や少人数で運営されている不動産業者に向けて、営業判断の相談をお受けする「不動産レンタル上司」を運営しています。

      Xで不動産実務について毎日発信しています。
      https://x.com/tkworks88

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