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土地の境界、どこまで確認していますか
揉めるのは、売った直後ではありません
不動産の仕事を20年やってきて、境界の話で揉める場面を何度も見てきました。
共通しているのは、揉めるタイミングです。売買の直後ではありません。隣が建て替えるとき、隣が売るとき、測量が入ったとき。5年後かもしれませんし、10年後かもしれません。
そしてそのとき現場に立たされているのは、境界を曖昧にしたまま売った人ではなく、その土地を買った人です。
境界は、買う前に確認しておくべきものです。この記事では、何をどこまで確認すればよいのかを整理します。
境界には2つの意味があります
まず前提として、「境界」という言葉は2つの意味で使われています。
筆界は、登記された土地の範囲を区切る公的な線です。当事者同士の話し合いで移動させることはできません。
所有権界は、実際に誰がどこまでを所有しているかという線です。長年の経緯で、筆界とずれていることがあります。
この2つが一致していれば問題ありません。ずれている場合に、話がややこしくなります。
塀の位置、植栽の位置、通路の使い方。現地で見えている線が、登記上の線と一致しているとは限らないということです。
境界標がない土地は珍しくありません
境界の角には、金属プレートやコンクリート杭などの境界標が設置されているのが本来の姿です。
ただ、古い住宅地では境界標が見当たらないことがあります。工事で失われた、舗装で埋まった、そもそも設置されていなかった。理由はさまざまです。
現地を見るときは、まず境界標を探してください。四隅にあるか。塀の中心にあるのか、片側に寄っているのか。見つからない場合は、その事実自体が確認すべき情報になります。
確定測量とは何か
確定測量は、土地家屋調査士が現地を測量し、隣接するすべての土地の所有者と境界を確認して、書面に残す手続きです。
測るだけではありません。隣の人に立ち会ってもらい、「ここが境界で間違いありません」という合意を得るところまでを含みます。ここが、単なる測量との違いです。
費用と期間は、土地の形状、隣接地の数、道路の種別によって大きく変わります。隣が国や自治体の場合は官民立会いが必要になり、さらに時間がかかります。
数十万円から、期間は月単位でかかることがあります。金額と期間の見込みは、土地ごとに土地家屋調査士へご確認ください。
確定測量をせずに売る、という選択
費用も時間もかかるため、確定測量をせずに現況のまま売買するケースもあります。
これ自体は、間違った判断ではありません。売主に時間的な事情がある場合もありますし、金額と手間が見合わない土地もあります。
問題は、そのことが買主に伝わっているかどうかです。
境界が未確定であれば、将来隣と食い違いが出たときに対応するのは、買った人です。そのリスクを引き受けてもらう以上、価格に反映させ、事実として伝えたうえで契約する必要があります。
確定測量をしていないこと自体が悪いのではなく、伝えないことが問題になります。
越境は、思っているより起きています
境界が確認できると、越境が見つかることがあります。
よくあるのは次のようなものです。
ブロック塀が境界線をまたいで積まれている
屋根や雨樋が隣地の上空に出ている
エアコンの室外機や配管が越えている
樹木の枝が伸びている
給排水管が隣地の地下を通っている
特に見落とされやすいのが、外構です。
既存のブロック塀の上に、金具で支柱を挟んで固定するタイプのフェンスがあります。金具はブロックの両面に出ますので、そのブロックが境界ぎりぎりに積まれていれば、隣側に出た部分は越境になります。
ブロックが自分の所有であっても同じです。所有しているのはブロックであって、その先の空間ではないからです。
そして越境を指摘された場合、金具だけを外して済む話にはなりません。支柱を留めているのがその金具ですので、実質的にフェンスの作り直しになります。
越境が見つかったときの現実的な対応
見つかったからといって、必ずしもすぐに撤去しなければならないわけではありません。
実務では、越境の事実を書面で確認し、将来建て替える際に是正するという取り決めを交わすことがあります。いわゆる越境の覚書です。
大切なのは、その覚書が次の所有者に引き継がれる形になっているかどうかです。当事者同士の口約束で終わっていると、代が替わったときに何も残りません。
すでに覚書がある土地を購入する場合は、その内容と、承継の定めがあるかを必ず確認してください。
隣が応じない場合もあります
確定測量が進まない理由は、現場にいくらでもあります。
相続で名義が変わっていない。連絡先が分からない。遠方に住んでいる。話し合いにならない。
隣地所有者の協力が得られなければ、確定測量は完了しません。これは売主の努力不足ではなく、構造的に起こることです。
当事者間で境界の合意ができない場合には、法務局の筆界特定制度や、裁判所の手続きを利用する方法があります。どの手続きが適しているかは事案によって異なりますので、土地家屋調査士や弁護士にご相談ください。
買う側が確認すべきこと
土地や戸建てを検討される際、境界について確認いただきたいのは次の点です。
境界標が現地にあるか。四隅で確認できるか
確定測量図があるか。ある場合は作成された時期
隣地との境界確認書があるか
越境の有無と、覚書の有無
覚書がある場合、次の所有者に引き継がれる内容になっているか
私道に接している場合、持分と通行掘削の承諾があるか
これらは、契約の前に聞けば分かることばかりです。
引渡しを受けてから調べ始めると、選択肢が一気に狭まります。
当社の考え方
不動産は、買って終わるものではありません。
10年後に売るかもしれない。貸すかもしれない。相続で誰かに渡すかもしれない。そのときに境界が曖昧なままだと、次の一歩で必ず止まります。
だから当社では、購入をご検討いただく段階で、境界の状況を先にお伝えするようにしています。良い話も、都合の悪い話も含めてです。
判断はお客様がされることです。当社の役割は、判断するための材料を全部お渡しすることだと考えています。
境界のことで気になる点がありましたら、ご購入前でも、すでにお持ちの土地のことでも、お気軽にご相談ください。
TKグランクス株式会社 代表取締役 川原 貴諒(宅地建物取引士) 大阪府知事(1)第67136号 TEL 090-5676-1912
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