固定資産税の起算日、関東と関西で違う理由|大阪の宅建士が解説
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固定資産税の起算日、関東と関西で違う理由|大阪の宅建士が解説
固定資産税の起算日は法律で決まっていません。関東は1月1日、関西は4月1日が多く使われ、精算金は契約書の記載次第で変わります。大阪の宅建士が実務目線で、起算日と精算表の見方を解説します。
固定資産税の清算で、揉めることがある。
同じ家、同じ引渡し日なのに、東京と大阪で精算金が変わるからだ。
原因は「起算日」にある。
これから売買契約を結ぶ方に向けて、起算日の仕組みと、精算表で見るべき点を書く。
固定資産税はいつ課税される?賦課期日と地方税法
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課される(地方税法359条)。所有者とは、登記簿や課税台帳に登記・登録されている者を指す(同343条)。課税台帳というのは、市町村が固定資産税をかけるために持っている台帳のことだ。
つまり、1月1日にその不動産を持っていた人に、その年1年分がまとめて課税される。
年の途中で売買しても、納税義務者は変わらない。売主が引き続き納付書を受け取る。
だから、買主が使う期間の分を、買主から売主に支払う。これが「固定資産税の清算」だ。
市街化区域内の土地・家屋には、あわせて都市計画税が課されることもある(同702条)。市街化区域とは、すでに市街地になっている区域や、これから優先的に市街化を進める区域として、都市計画で定められた範囲のことだ。自分の物件が入るかどうかは、重要事項説明書に書いてある。
都市計画税は、市町村が課すかどうかを選べる任意の税金だ。賦課期日は固定資産税の例による(同702条の8第1項)。こちらも基準は1月1日になる。
関東と関西で固定資産税の起算日が違う理由
清算で「いつから」を数える基準日を、起算日と呼ぶ。
この起算日が、地域によって違う。
関東では1月1日を起算日とすることが多い。課税の基準日に合わせている。
関西では4月1日を起算日とすることが多い。税金が対応する年度(4月〜翌年3月)に合わせている。
僕は大阪で仲介をしているが、契約書の起算日欄には4月1日と書くのが通常だ。
どちらの考え方にも理屈がある。どちらかが正しい、という話ではない。

差が出るのは、年の後半に引渡しをする場合だ。
たとえば11月に引渡しをすると、翌年1〜3月分の負担が、起算日によって真逆になる。関東式なら売主負担、関西式なら買主負担だ。
固定資産税の日割り計算、起算日は契約書で決める
ここが一番大事なところだ。
地方税法上、年の途中の売買にともなう日割り精算を定めた規定は見当たらない。清算は法律ではなく、不動産業界の商習慣として行われている。
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の標準売買契約書ひな型にも、その構造がそのまま表れている。
第13条には、こう書いてある。
2 公租・公課納付分担の起算日は、標記の期日(D)とする。
(出典:全国宅地建物取引業協会連合会 標準売買契約書 第13条)
公租・公課というのは、税金と、行政に納める負担金のことだ。ここでいえば固定資産税と都市計画税を指す。
そして「標記の期日(D)」の(D)は、契約書の頭にある記入欄の記号だ。その欄は、あらかじめ空欄になっている。契約のたびに、当事者が起算日を決めて書き込む方式になっている。
つまり起算日は、法律で決まっているものではない。契約書に書いて、初めて確定する。合意しておかないと、後で揉める。
なお、買主が売主に支払うこの精算金は、税金の立替払いではない。国税庁の見解では、実質的に不動産の譲渡対価の一部にあたるとされている(未経過固定資産税等)。引渡し日以降の分を「未経過固定資産税等」、その前日までの分を「既経過分」と呼ぶ。
この精算金が譲渡所得の計算にどう影響するかは、税理士に確認してほしい。
金額の差は、引渡しの時期や固定資産税評価額によって変わる。数万円で収まることもあれば、年の後半の引渡しでは十万円単位になることもある。
契約前に、起算日の欄を見てほしい。
都市計画税の精算と、大阪で見るべきポイント
精算表を見るときは、起算日だけでなく、基準にする「日」も確認してほしい。
基準は、決済日ではなく引渡し日だ。
引き渡し猶予というのは、決済が終わったあとも、売主が一定期間そのまま住み続けられるようにする取り決めのことだ。引っ越し先の都合などで使う。
この猶予をつけると、決済日と実際の引渡し日がずれる。それでも精算は、引渡し日を基準に計算する。
以前、こんなやり取りがあった。
相手業者『精算金の書類を作ったので確認お願いします』
僕『了解です。……あれ、なんで決済日で計算してるんですか?』
相手業者『え、どういう意味ですか?』
僕『引き渡し猶予をつけているので、実際の引渡し日で計算してもらえますか』
責める話ではない。引き渡し猶予がついていると、決済日と引渡し日がずれることを見落としやすい。実際、ここは間違いが起きやすいところだ。
起算日が合っていても、基準にする日を間違えれば、金額はズレる。
迷ったら、契約前に見せてください
固定資産税・都市計画税の起算日は、法律ではなく契約書で決まる。
関東は1月1日、関西は4月1日が多いが、絶対ではない。
起算日の欄と、基準にしている日(決済日か引渡し日か)。まずこの2点を確認してほしい。
起算日は、売買契約書の中の、公租・公課の分担について書いてある条文のあたりにある。契約書の頭の記入欄に日付が書かれていることも多い。分からなければ、担当の方に「公租公課の起算日はどこですか」と聞けば出てくる。
精算表を見て、少しでも引っかかったら、そのまま契約しないでほしい。
まずは担当の方に聞いてみてください。それでも腑に落ちなければ、下の問い合わせボタンから、精算表の起算日と基準日だけでも見せてください。数字を確かめるだけの相談で構いません。
川原貴諒(大阪の不動産仲介・宅建士20年)
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