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大雨による浸水被害と、火災保険の水災補償について

2026.8.14

    大雨による浸水被害と、火災保険の水災補償について

    このたびの記録的な大雨により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします。

    弊社は大阪で不動産業を営んでおり、被災された地域で直接お手伝いできることはありません。ただ、住まいに関わる仕事をしている立場から、一つだけお伝えできることがあります。

    火災保険の「水災補償」です。

    浸水の被害に遭われた方が、片付けを始める前に確認しておくべきことがあります。また、被害に遭われていない方にとっても、ご自身の証券を見直すきっかけになればと考え、掲載いたします。


    1. 片付ける前に、写真を撮ってください

    これが最も多い失敗です。

    どこまで水が来たのか。壁に残った跡が消える前に撮影してください。

    • 部屋ごとに、複数の角度から

    • 建物の外観も、同じように

    • 浸水の深さがわかるよう、メジャーや定規を当てて

    • 濡れた家具・家電は、廃棄する前に撮影する

    この写真は、市区町村へ罹災証明書を申請する際にも使います。掃除や廃棄が終わってからでは、被害の程度を証明する手段がなくなります。

    2. 「水災」が付いているかを確認してください

    火災保険という名前ですが、補償の範囲は火災だけではありません。風災、雹災、雪災、そして水災が含まれます。

    ただし、水災補償は自動的に付いているものではありません。

    保険料を抑えるために水災を外している契約は珍しくありません。まず保険証券を出して、補償内容の欄に水災が含まれているかをご確認ください。

    3. 支払いには条件があります

    水災補償が付いていても、どのような浸水でも保険金が出るわけではありません。

    一般的な商品では、次のいずれかを満たすことが条件とされています。

    • 床上浸水したこと

    • 地盤面から45cmを超えて浸水したこと

    • 建物または家財に、保険価額(再調達価額)の30%以上の損害が生じたこと

    つまり、床下浸水で浸水深が45cm未満の場合、対象外となる契約が多いということです。

    一方で、浸水の深さや損害割合にかかわらず実際の損害額を補償する「実損払い型」の商品もあります。ご自身の契約がどちらの型かは、証券または約款に記載されています。

    なお、地下室など地盤面より下に床面がある場合、支払基準における地盤面の扱いが異なります。

    4. 「建物」と「家財」は別の契約です

    火災保険は、補償の対象を次の3通りから選ぶ形になっています。

    • 建物のみ

    • 家財のみ

    • 建物と家財の両方

    「建物のみ」で契約している場合、水災で家具・家電・衣類が損害を受けても、家財に対する保険金は支払われません。

    浸水被害では、建物より家財の損害額のほうが大きくなることがあります。ご自身の契約がどの範囲かを、あわせてご確認ください。

    5. 「保険で自己負担なく直せます」という勧誘にご注意ください

    これは、必ずお伝えしておきたいことです。

    被災した地域には、住宅修理を持ちかける事業者が訪問してきます。「火災保険を使えば自己負担なく修理ができる」「保険金が出るようサポートする」といった勧誘です。

    国民生活センターは、この種のトラブルについて長年にわたり注意喚起を繰り返しています。実際に報告されている事例には、次のようなものがあります。

    • 手数料として保険金の3割から5割を請求され、修理費が足りなくなった

    • 契約を解除しようとしたところ、高額な違約金を求められた

    • 契約時に違約金の説明がなかった

    • 被害を受けていない箇所について、保険会社に虚偽の説明をするよう求められた

    • 「請求期限が迫っている」と急かされ、その場で契約させられた

    そもそも、損害調査の結果が出るまで、保険金が支払われるかどうかも、いくらになるかも誰にもわかりません。金額を約束する勧誘そのものが不自然だとお考えください。

    保険金の請求手続きは、ご自身で行えます。

    まず、ご契約の保険会社または代理店にご連絡ください。それが最も早く、最も確実で、最も費用のかからない方法です。

    日本損害保険協会にも、災害に便乗した商法に関する相談窓口が設けられています。


    被害に遭われていない方へ

    今回の大雨を、ご自身の住まいを確認する機会にしていただければと思います。

    確認していただきたいのは3点です。

    ご自身の火災保険に水災補償が付いているか。証券を見れば書いてあります。

    お住まいの地域のハザードマップ。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」、または「お住まいの市区町村名+ハザードマップ」で検索すると確認できます。

    その地図が想定している雨量。ハザードマップは一定の降雨量を前提に作られています。想定を超えれば、区域の外でも浸水することがあります。「区域外だから安全」ではなく、「想定の範囲では安全」と読むのが正確です。

    水災補償を付けるかどうかは、保険料との兼ね合いになります。正解が一つあるわけではありません。ただ、付いているのか付いていないのかを知らないまま暮らすのは、避けたほうがよいと考えています。


    ご注意

    本記事は一般的な情報の整理であり、個別のご契約に適用されるかどうかを判断するものではありません。補償の有無、支払基準、対象範囲は保険会社および商品によって異なります。

    弊社は損害保険の代理店ではありません。保険金の請求、補償内容に関するご相談は、必ずご契約の保険会社または代理店へお問い合わせください。

    罹災証明書の申請手続きや期限については、お住まいの市区町村にご確認ください。


    2026年8月15日

    TKグランクス株式会社 代表取締役 川原 貴諒 宅地建物取引士 大阪府知事(1)第67136号

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